医療・福祉人事担当者の本音

~直接応募のススメ~

就職活動はどうすればいい?

複数回にわたって、医療・福祉業界の人事担当者として切実な思いを綴ってきました。

「じゃあどうやって就職活動すればいいの?」と

気になったと思います。

そこで、

どういった応募ルートがあって

どのように情報収集すればいいのか

私なりにアドバイスしていきます。

 

まず、求人へ応募するためのルートを思いつく限り挙げてみます。

①病院や施設へ直接電話

②病院や施設のホームページ

ハローワーク

④新聞や雑誌などの求人広告

⑤求人検索エンジンindeed、求人ボックス、スタンバイなど)

 ※病院や施設が掲載している求人

 ※人材紹介会社が掲載している求人

⑥人材紹介ではない求人サイト

⑦人材紹介会社が運営する求人サイト

 

先に言うと以降は⑦に近づくにつれて採用のハードルが上がり、応募できる求人数が減る傾向になります。

「①病院や施設へ直接電話する」は気おくれする方も多いと思うので、具体的な説明は省略しますが、人事担当者としては直接お電話いただいた場合喜んで対応します。

 

それでは、順に書いていきます。

 

「面接を受けたい」「興味がある病院や施設がある」のであれば

ホームページ、ハローワークがベストです。

この2つのルートで応募を断られることはまずないですし、

採用のハードルが最も低いといっても過言ではありません。

今はハローワークに行って手続きをしなくても

ハローワークインターネットサービス」で検索することで、

ハローワークに掲載されている求人も家にいながら見ることができますし、

法人名で検索もできるので使い勝手も良いです。

 

ただし!興味はあるけど雰囲気を知りたいという方は

ハローワークでは物足りないかもしれません。

ハローワークの求人票は求人条件を知るという意味では良いのですが、

写真がなかったり、情報量も十分ではありません。

④新聞や雑誌などの求人広告」についても同じことがいえます。

新聞や雑誌は病院や施設が掲載しているので情報としては正確ですが、記事の入稿から掲載までそこそこのタイムラグがあります。

そのため、掲載枠も限られている中で情報量が少ないだけでなく、掲載されたときにはすでに募集を終了している可能性があるという欠点があります。

 

そこで次の方法です。

興味がある病院や施設があればまだ良いですが、

右も左もわからない方が大半でしょう。

「これから就職活動をしよう」「転職したい」と考えたら

まずインターネットで検索すると思います。

例えば、「看護師 ○○市」と検索するだけで大量の求人情報が出てきます。

googleで検索すると

こんな情報が検索画面の上位に表示されます。

これはGoogleしごと検索Google for jobs)というサービスで

詳細は割愛しますが、ホームページの求人や人材紹介会社のサイトで掲載している求人情報が自動で表示されます。

どこの情報が掲載されているかは提供元という欄で確認できます。

相場観や雰囲気を知るという意味ではここから求人をざっと見るのもいいかもしれません。

ただし注意していただきたいのは、ここに掲載されている求人のリンク先はその多くが人材紹介会社の求人サイトです。リンク先で登録をするとものすごい連絡がきます。

情報収集程度であれば登録はしないようにしましょう

 

Googleしごと検索と似たようなサービスで、

よくCMで見かける

indeed」「求人ボックス」「スタンバイ

といった求人検索エンジンがあります。

これらの求人検索エンジンもホームページやハローワーク、求人サイトから情報を自動でひろって求人情報が掲載されています。

Googleしごと検索と異なる点は、

求人検索エンジンには求人している法人がアカウントを作って求人原稿を作成し、掲載しているものがあります。

この求人の場合、応募したら求人している病院や施設と連絡を取り合うことになります。

求人している法人が直接掲載しているものは、無料掲載や、クリック課金型の有料掲載など種類がありますが、いずれにせよホームページやハローワークと同等の情報の正確性、採用ハードルとなるでしょう。

情報量については求人原稿を作り込んでいる法人であれば十分にあると思います。

 

ただし、Googleしごと検索やindeedなどの求人検索エンジンで共通して言えるのは、基本的に求人情報のプラットフォームのような役割なので、病院や施設が掲載していることもあれば人材紹介会社が運営している他の求人サイトへ誘導されることもあるので注意が必要です。

 

ここで人材紹介ではない求人サイトについて、少し説明します。

有名どころでいうと「ジョ○メ○レー」「コメディ○ル○ット○ム」といったサイトですが、

これらの求人サイトに掲載されている求人情報は病院や施設が掲載しています。

人材紹介会社が運営する求人サイトとの大きな違いは、

人材紹介会社の営業担当者が間に入るか、求人している法人の人事担当者と連絡を取るかの違いです。

○ョブ○ドレーなどの求人サイトは登録しても営業から頻繁に連絡が来ることはありません。(病院や施設からスカウトメールがたくさん来ることはあるかもしれませんが…面倒なら停止できます。)

このサイトで気になる求人に応募すると病院や施設の人事担当者と直接、メッセージや電話などでやり取りすることになります。

人材紹介ではない求人サイトのメリットは、

病院や施設が掲載しているので情報が正確であること

写真やアピールポイントなどの情報量が多いこと

比較的タイムリーな情報であること

です。

ちなみに求人側のメリットもあります。

人材紹介会社の人材紹介手数料と比べると採用が決まった時にかかる費用が圧倒的に安くすみます。

私の法人でも、ホームページ、ハローワークの次にこれらのサイトに求人情報を掲載することを検討します。

逆にデメリットとしては、

私たち求人側がこれらのサイトを知らなければ、または

安いとはいえ費用がかかることを納得できなければ、求人情報が掲載されません。

つまり、求人数としては人材紹介会社の運営する求人サイトよりも少なくなります

(人材紹介会社は求人していないものを掲載し続けていたり、取引がなくても掲載していることがあるので当たり前ですが…)

 

最後に⑦人材紹介会社が運営する求人サイトですが、

具体的には、「ナース○○バンク」「○○ウェル看護」「○○ワーカー」

あとは有名どころでリク○○○や○○ナビさんも人材紹介を行っていますね。

これらがいわゆる人材紹介会社ですが、

いろいろご自身で調べた結果、それでも「どうしよう」「不安」といったときに

利用するといいかもしれません。

ただし、何度も書いてきたように

応募できる求人数は実際にある求人数より少ない

採用ハードルが最も高い

人材紹介会社はボランティアではなく営利企業

人材紹介経由による転職は離職率が高い傾向にある

求人側が高い手数料を支払っている

ということは覚えていてください。

人材紹介会社を利用するのであれば、

ご自身が本当の意味で納得できて

「そう簡単には辞めない!」

という気概で入職して欲しいです。

 

まとめると、

面接を受けたい、興味がある病院や施設がある方

①②③のいずれか

 

転職を考え始めたけど時期含め何も決めていない方

②③④⑤⑥⑦を駆使してサイトなどへの登録はせずに相場観や雰囲気を知る

 

転職時期がある程度決まって求人情報を調べることができた方

①②③④⑤⑥の順でどこから応募するか決める

 

いろいろと調べてみたけど不安が尽きない方

⑦でなんとなく納得感を出す(笑)

 

最初にも言いましたが、に近づくにつれて採用のハードルが上がり、応募できる求人数が減る傾向にあることは忘れずに。

 

最後に一つだけアドバイスします。

面接を受けたい、興味がある病院や施設がある方で人材紹介会社を利用している場合。

人材紹介会社から「条件面が合わず面接を断られた」「応募多数により受付終了だった」など何かしらの理由をつけて応募ができなかったときは、一度ホームページやハローワークから応募してみてください。ホームページやハローワークに掲載されているのであれば応募受付してもらえる可能性は割と高いと思います。

そもそも人材紹介会社経由の応募だから断られていることもあれば、人材紹介会社が紹介できない、または何かしらの理由で他の求人を紹介したいとき、明らかに偽って希望の求人に応募できないと言っていることがあります

ここまではっきり言い切れるのは、求職者と雑談をしている中で

過去に求人に応募しようとして

「そこはすごく人気でなかなか応募受付すらしてもらえないからこっちはどうですか?」

と言われたけど、ハローワークから応募したら普通に応募できて採用されたという話を聞いたり、それに近い話は何度も聞いたことがあるからです。

上場している有名な人材紹介会社でもそういったことがあったという話を聞くので、本当に面接を受けたい病院や施設があるなら試してみてください。